空き家解体工事の補助金制度
近年、日本各地において空き家の増加が課題となっています。
島根県出雲市においても空き家の増加が著しく、適切な管理が行われずに放置された空き家は、近隣住民の生活環境に悪影響を与える恐れがあります。
空き家問題の背景には、少子高齢化や人口の減少、さらに都市部への人口集中による若者の流出がありますが、出雲市でも同じような背景で空き家が増加している現状です。
今回のコラムでは、増加する空き家の中でも老朽化した危険空家の除却における補助金についてご紹介致します。
初めに
島根県出雲市においても空き家の増加は非常に深刻な課題となっています。適切な管理がされず、危険空家として認定された空き家が数多く存在するのが現状です。
今回ご紹介する、「出雲市老朽危険空家等除却支援補助」制度は、老朽した危険空家の除却を推進し、市民の生活環境の保全を図る目的で創出されました。出雲市が、予算の範囲内において、老朽危険空家の所有者に対して除却工事費の一部支援を行います。
補助の対象となる老朽危険空家
出雲市老朽危険空家等除却支援補助制度は、全ての空き家の除却に関して補助が出る制度ではありません。
補助支援の対象となる空家の条件をご紹介致します。
(1)一年以上居住その他の使用がされておらず、且つ、今後も使用される見込みのない建築物出会って、敷地周辺に及ぼす危険性が著しいと認められるもの
(2)次に掲げる要件に全て該当する空き家であること
- 主として居住の用に使用する建築物(併用住宅については延べ面積の2分の1以上を居住の用途に使用するもの)
- 主たる構造が木造の建築物
- 補助金交付要綱の定める基準において「空家の不良度・危険度」の評点の合計が100点以上である建築物
- 建築物の軒の高さが建築物の敷地内の位置と隣地(人が居住する建築物が存在するもの)との境界線又は道(一般の交通の用に供するもの)との境界線の距離を超える建築物
(3)空き家対策の推進に関する特別措置法第14条第3項に規定する命令を受けていない建築物
補助の対象となる工事
老朽危険空家を除却する工事であって、次に掲げる要件に全て該当するもの
- 補助対象となる老朽危険空家の全てを除却するもの(ただし、補助対象となる空家に付随する工作物は周辺に対して防災上著しく危険性があると認めるときはあわせて補助対象となる)
- 交付申請書の提出日の属する年度内に完了するもの
- 公共事業などの補償の対象となっていないもの
補助対象者
(1)個人であって次のいずれかに該当する者
- 老朽危険空家の所有者
- 老朽危険空家所有者の相続人
- 所有者又は相続人から老朽危険空家の除却についての同意を得た者
(2)市税などの滞納が無い者
※共有名義の建築物については、共有者全員の合意により1名を選出。
※所有者以外の物件(賃借権を含む)の設定がある建築物については、権利を有するもの全員の同意を得てください。
補助限度額と受付期間
補助限度額 100万円
※補助金額は、「実際の除却工事費」又は「国が示す標準的な除却工事費」のいずれか低い方の額に10分の4を乗じた金額。
受付期間
令和5年4月1日~
※ただし、令和6年2月29日(木)までに工事が完了するものに限ります。
手続きの流れ
手続き | 申請者 | 出雲市 | |
① | 事前調査申請 | 補助金事前調査申請書に必要書類を添付し、申請してください。 | 補助対象となる老朽危険空家に該当するかどうか、書類審査及び市職員による現地調査を実施し、「事前結果通知書」により、結果をお知らせします。 |
② | 除却工事の見積依頼 | 依頼する解体業者を 選定してください。 | |
③ | 補助金交付申請 | 補助対象となる老朽危険空家に該当する旨の通知後、「補助金交付申請書」に必要書類を添付し、申請してください。 | 申請書の受理、審査後、「補助金交付決定通知書」により、結果をお知らせします。 |
④ | 工事契約除却工事 工事代金支払い | 「補助金交付決定通知書」の受け取り後 解体業者と工事契約を締結し、工事に着手してください。 除却完了後、工事代金を解体業者へお支払いください。 | |
⑤ | 工事完了実績報告 | 除却工事が完了し、工事代金の支払い後、「補助金実績報告書」に必要書類を添付し、報告書を提出してください。 | 提出書類及び市職員による現地確認を実施し、最終的な補助金の額を「補助金額確定通知書」 によりお知らせします。 |
⑥ | 補助金交付申請 | 「補助金額確定通知書」の受け取り後、 「補助金交付申請書」を提出してください。 | 請求書を提出いただいた後、指定口座への補助金を 振り込みます。 |
最後に
出雲市老朽危険空家等除却支援補助事業は、空き家の所有者様の負担を軽減し、空き家問題解決の一助となる制度です。
空き家を放置することで、管理不足から倒壊の危険にさらされたり、犯罪の温床になってしまう場合があります。もし、あなたが所有している空き家で何かあったら、所有者であるあなたが責任を持たなければいけません。
解体工事というのは、建っている建物を取り壊す工事です。建築工事のように新しく建物を建てる工事ではないのに、なぜ高いお金を払わなければいけないのか、と考える方も多いと思います。
そういった方にこそ、補助金が出る可能性があるという事実をお伝えしたく執筆させて頂きました。
今回ご紹介させていただいたのは「出雲市」の危険空家除却工事の補助金制度です。空き家の解体工事に関しての補助金制度は、県や市によって様々です。積極的に情報の収集を行い、補助金制度を活用することをお勧めいたします。
LCC株式会社は島根県を全域に活動しております。空き家の解体工事でお困りの方や興味のある方は是非一度ご相談ください。